1959年発売の日本光学の初めてのニコンブランドの双眼鏡である、A型ポロの最も初期の製造モデルです。日本光学はニコンブランドを双眼鏡に採用する前はツァイス型双眼鏡にはミクロンという名前を使っていましたが、その1957年ミクロンからもっとも初期のニコンA型ポロにのみ、"PAT. PEND."の刻印が入っていて人気です。1960年以降のモデルは"J. PAT."です。ニコンA型ポロはミクロン時代より内部構造が簡素化されて部品点数が減りコストダウンされている、というのが一般的な認識ですが、A型でもこの初期型だけはミクロンとまったく同じ構造を持っています。画像を添付しましたが、プリズムには反射漏れを防ぐ遮光板が取り付けられ、これによりかなり光学性能が向上しています。またプリズムの台座の位置決めのビスなどもあり、プリズム脱着によって光軸が大幅に狂う心配はありません。ほぼ再調整は必要なく、わずかにズレが出てもエキセンリングの微調整で済みます。レンズ、プリズムはアルコール洗浄済で驚くほど綺麗な状態に仕上げてあります。もうこの先何年も内部清掃の必要はないと思います。各可動部はすべて古いグリスを除去し新たにグリスアップし直してありますのでピントリング、視度調整リングとも快適です。この時代の製品のほとんどは眼福調整の固さの微調整が効かずクネクネ動いてしまうか、固くて動かないものが多いのですが、できる限りぎりぎりの固さの調整をしてあります。少し抵抗のあるフィーリングですが、柔らかすぎて手を離すと緩んでしまうようなのが嫌いなのでやや固めです。これ以上柔らかくすると今はいいのですがたぶん1年以内くらいに緩んでくると思います。購入してくれた方がメンテナンス出来るとは限りませんので、私が使っていた少し固いままにしておきます。プリズム筒と対物レンズ筒、接眼レンズユニットの結合部もグリスアップで油膜をつくりキツめに締めてありますので、湿気の侵入はかなり防げると思います。10年近くはカビの心配をせずに使って頂けると思います。貴重な"PAT. PEND."刻印入りモデルです。コストダウンされた中期以降のモデルとは内部の造りが違い、妥協なく造り込まれているモデルです。キャップx4 有り、ストラップ有り、ケース無し。よろしくお願いします。